都市ガスとプロパンガスの違い。料金比較とメリットデメリット

都市ガスとプロパンガスの違い。料金比較とメリットデメリット
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ガスを使うのはコンロだけではありません。シャワーの時にお湯を出す給湯器やストーブもガス式の機器が取り付けられている物件があります。お部屋探しでは、どの程度ガスを使用する物件なのかという点にも注目すべきです。

ガスには都市ガスとプロパンガスがあり、都市ガス物件なのにプロパンガスを使う事はできませんし、プロパンガスから都市ガスに変えてもらう事もできません。都市ガス物件かプロパンガス物件かは、お部屋探しの時点で決めなければならないのです。

そこで、都市ガスとプロパンガスの違いについてご紹介していきます。一人暮らしをする際に一番気になる料金の比較や、それぞれの特徴から言えるメリット・デメリットについてもまとめてみました。

何が違う?都市ガスとプロパンガスの違い

これから一人暮らしを始めようとしているのであれば、今住んでいる実家が都市ガスかプロパンガスか分からないという人も多いのでは無いでしょうか。第一、ガスに二種類あるという話も初めて聞いた!という人もいるでしょう。

まずは、都市ガスとプロパンガスはどう違うのか、簡単にご紹介していきます。実家がどちらを使っているのか、早速調べてみてくださいね。

供給元が違う

都市ガスとプロパンガスの大きな違いは供給元にあります。都市ガスは、地中のガス管を通してガスを使い、プロパンガスは家の外にガスボンベを置き、そこから供給されるガスを使うのです。

都市ガスとプロパンガスの供給元

ですから、簡単に見分ける方法は家の外にガスボンベがあればプロパンガスで、無ければ都市ガスを利用しているという事になります。そして、ガス管からガスを供給しているので都市ガスは水道と同じく公共料金で、プロパンガスは公共料金ではありません。

ガスの種類が違う

都市ガスとプロパンガスの違いは供給元の違いだけではありません。ガスの種類が全く違うので、それぞれ特徴も異なるのです。

メタンが主成分である都市ガスは液化天然ガスで、原料をオーストラリアなどから輸入しています。プロパンガスも原料を中東諸国などから輸入していますが、プロパンやブタンが主成分の液化石油ガスが原料になっているのです。

都市ガスの特徴は、空気よりも軽いのでガス漏れの際は天井へと上がっていきます。その逆にプロパンガスは空気より重たいので、ガス漏れした場合床に充満して行くのです。ガス警報器を設置している場合、都市ガスならば天井に近い高い位置に、プロパンガスは床に近い低い場所に設置してあります。

パワーが違う

都市ガスとプロパンガスでは、火力にも違いがあります。都市ガスよりもプロパンガスの方がパワーがあるので、例えばガス給湯器を使った場合、冷水から温水に切り替わるのに都市ガスの方が時間が掛かるのです。

都市ガスのパワーの2倍ほど、プロパンガスの方が発熱量が高くなります。ですから、プロパンガス用のガスコンロを都市ガスでは使用できませんし、都市ガス用のガスコンロはプロパンガスでは使用できません。それぞれ専用のガスコンロを使わなくてはならないのです。

但しガスコンロを使う場合、都市ガスだからと言って火力が弱いと感じる事は殆ど無いでしょう。都市ガス用のガスコンロは、発熱量の低さを補うためにガスの量が多く出てきますので、必然的に都市ガスの方がガスの使用量は多くなるのです。

都市ガスとプロパンガスの価格

都市ガスとプロパンガスの違いはご理解いただけた事と思います。では、最も気になる料金について詳しく述べていこう思います。都市ガスが良いかプロパンガスが良いかは、お部屋探しの時点で決めなければなりません。自分にとってどちらが得になるのか、検討材料にして頂ければ幸いです。

都市ガスは価格が決まっている

都市ガスの料金は公共料金です。2017年に都市ガスの料金は自由化されてはいますが、以前の規制料金のままで価格設定がされています。

都市ガスは全国各地のの各ガス会社により基本料金などが違っていますが、全国平均では900円ほどです。料金を算出するには、「ガスの使用量(㎥)×従量単価+基本料金」となります。従量単価もガス会社によってまちまちですが、概ね200円から300円で設定している会社が多いようです。

例えば、基本料金が900円で1ヶ月間に5㎥のガスを使用して従量単価が200円で設定されている場合…
5㎥×200円+900円=1900円
上記の様に1ヶ月のガス料金は1900円という事になります。

プロパンガスは自由料金

都市ガスは政府の認可を受けていて価格の上限なども定められていますが、プロパンガスは価格が定められていません。プロパンガスはガス会社が自由に料金の設定を決める事ができるので、会社によってガスの価格が違うのです。

それなら少しでも安い価格設定の会社からプロパンガスを買いたい…と考えるところですが、賃貸物件では家主さんが取り引きしているプロパンガスの会社と契約するのが一般的です。入居してからもっと安いプロパンガスの会社と契約したいと申し出ても、なかなか難しいところでしょう。

また、賃貸物件でプロパンガスを使用するとなると、一戸建てと比べて価格設定が高くなっている場合が殆どです。それは、建築時にガス会社が全部屋に給湯器やエアコンなどを無償で貸与し、その分を上乗せして居住者にガス料金として請求される仕組みである事が考えられます。

プロパンガスの相場は地域によっても違いがありますが、賃貸物件の場合は2000円ほどに設定している会社が多いようです。そして、従量単価は賃貸物件では550円ほどが相場となります。

「ガスの使用量(㎥)×従量単価+基本料金」で1か月あたりの5㎡使用した場合のガス料金を計算してみると…

5㎥×550円+2000=4750円
プロパンガスを利用して一人暮らしをした場合、ガス料金の目安は4750円ほどになるという事になります。

都市ガスとプロパンガスの料金に違いがあるワケ

一人暮らしで掛かるガスの使用量は、備え付けの給湯器や暖房器具がガス対応のものかそうで無いかによっても変わります。一人暮らしのガス使用量は、給湯器や暖房器具がガス使用のものである場合、1ヶ月に3㎥から7㎥ほどが平均的です。

そこで上記の計算では、年間の平均として5㎥で1ヶ月のガス料金を算出してみました。そこで出た結果は…

都市ガス 1900円 (従量単価が200円の場合)
プロパンガス 4750円 

同じガスの使用量で計算した場合、都市ガスの倍以上プロパンガスは高いのです。但し、プロパンガスのパワーは都市ガスの2倍以上なので、ガスの使用量は都市ガスの方が多くなります。ですから実際のところは上記の料金よりも都市ガスは高くなる事が考えられるでしょう。

それにしてもなぜ、こんなにも都市ガスとプロパンガスには料金差が出てしまうのでしょうか。それは、都市ガスとプロパンガスでは供給の仕方に違いがある事が挙げられます。

都市ガスはガス管を通って各家庭に送られていきますが、プロパンガスは人の手によって運ばれていくので人件費や輸送費などが掛かっているのです。その分、都市ガスより割高になってしまう事が考えられます。

また、公共料金の都市ガスとは違いプロパンガスは自由料金です。価格設定に関するきまりが無く、価格を公開しなければならない義務もありません。プロパンガスの価格がガス会社によって違うという事を知らない人や、自宅で使っているプロパンガスの詳細な価格設定を知らないという人も大勢いると考えられます。

都市ガスとプロパンガスのメリットデメリット

ガス代が安く抑えられるのは都市ガスで、プロパンガスは都市ガスの倍近く高くなる可能性もあるという事が分かりました。では、絶対に都市ガス物件を探した方がお得ですよね。でも、都市ガスには安いというメリットはありますが、デメリットもあるのです。

その逆に、高い事がデメリットに感じられるプロパンガスですが、都市ガスには無いメリットがあります。ここでは二つのガスのメリットデメリットを整理してみました。

都市ガスのメリット

都市ガスは、プロパンガスと比べて基本料金も従量単価も安いので、特にガス使用量が増えてしまいがちな冬でも安心です。そして、公共料金なので明確使用量や料金が提示され、突然値上がりする事もありません。

また、ガス管から直接ガスが通っているので、建物の外にガスボンベを置く必要が無いので余計なスペースがいらないという事になります。そして、都市ガスにはガス警報器の設置義務が無いので、個別訪問の定期点検もありません。

都市ガスのデメリット

賃貸物件で生活をする入居者には関係ありませんが、都市ガスを使用するためには地下を通っているガス管から家の中にガスを引くための工事が必要となり、高額な初期費用が掛かります。そして、都市ガスはどこの地域でも使用できるガスではありません。

「都市ガス」という名前の通り、都市を中心に供給しているガスなので都市以外の地域には供給されていないのです。都市ガスが供給されているエリアは意外と狭く、自分の住んでいる地域は都市ガスが通っていないという場合も多々あります。

そして、最大の都市ガスのデメリットとしては災害に弱いという点です。大きな災害が起きた時、電気や水道などもストップしてしまう場合がありますが、都市ガスの場合も同じです。地中にあるガス管の点検をしなければならないので、復旧に数週間も要する事もあり得ます。

プロパンガスのメリット

プロパンガスの最大のメリットは、災害時でも直ぐに復旧する事ができる点です。プロパンガスは都市ガスの様に配管工事の必要が無く、もちろん多額な初期費用も発生しません。

都市ガスの通っていない地域でもガスボンベと、それを繋ぐガス管があれば使用できるガスです。場所を選ばず使用する事ができるので、震災の時の炊き出しにもプロパンガスは大活躍しています。

また、都市ガスの倍以上の熱量を持っているので、プロパンガスは強い火力で使用する事ができるのです。火力が強いので、シャワーから出て来る水もお湯に切り替わりやすくなったり、三口コンロの火力も十分であったりなどというメリットや、一ヶ月のガス使用量も都市ガスより少なくて済むというメリットがあります。

プロパンガスのデメリット

プロパンガスのデメリットは、都市ガスよりも料金が高いという点です。プロパンガスの料金は、その会社で設定価格を決める事ができる自由料金制となっています。ですから、会社によって基本料や従量単価が違うのです。

一人暮らしとなればプロパンガスの賃貸物件に入居してガスを利用する事になりますが、既存のプロパンガスの会社を利用する事になり、安い料金の会社と契約し直すというのは難しいでしょう。また、賃貸物件の場合はプロパンガスの価格も高めに設定されている事が殆どなので、安く抑える為には工夫も必要になってきます。

そして、都市ガスとは違い値上がりしやすいという点もデメリットと言えるでしょう。原料を輸入しているので、輸入の際の価格が上がればそのままガスの価格にも反映されますし、自由料金制であるという理由もあります。都市ガスも原料を輸入していますが、公共料金なのでプロパンガスの様に急に値上がりするという事が無いのです。

都市ガスは安いけどプロパンガスは高い

都市ガスとプロパンガスをの価格を比べた場合、間違いなく都市ガスが安くプロパンガスは高いという事が分かりました。どうせ同じガスならば、安い方が良いに決まっていますよね。

でも、賃貸物件ではプロパンガスから都市ガスに変えるという事はできませんし、プロパンガスを安く提供してくてくれるガス会社に変更する事もほぼ無理と考えた方が良さそうです。プロパンガスの物件に入居するのであれば、予め「ガス料金が高くつく」という事を覚悟しておく必要があるでしょう。

ただ、都市ガスは限られた地域でしか利用する事ができません。都市ガスの通っていない地域で部屋探しをするのであれば、プロパンガスの物件一択になるのは間違い無いでしょう。その場合はプロパンガスにはメリットもあるという事も理解して、ガスを節約しながら上手に使っていきましょう。

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