「初期費用ゼロ物件」は本当にゼロなの?かかる費用とかからない費用

「初期費用ゼロ物件」は本当にゼロなの?かかる費用とかからない費用
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「少ないお金で部屋を決めたい」

「なるべく出費を抑えたい」

という人に魅力的な物件が「初期費用ゼロ物件」です。

初期費用とは、お部屋を契約するときに初めにかかるお金のことで、大家さんに支払う費用や不動産屋さんに支払う費用など、さまざまなものがあります。

「初期費用ゼロ」というと、初期費用が全くかからない物件のように思えますが、実際は「どうしてもかかる費用」と「かからない費用」があります。

まずは、初期費用には何があるか把握することが大切です。

その上で、どの費用がかかって、どの費用がかからないのかを知っておき、安心して賃貸物件の契約ができるよう、「初期費用ゼロ物件」について、くわしくご紹介します。

「初期費用ゼロ」は本当?物件契約時にかかる7つのお金

一人暮らしを始めようと、物件探しをしていると、「初期費用ゼロ」という物件が目に入ります。

引越しには荷物の移動だけでもお金がかかるので、なるべく入居の際の初期費用は抑えたいところです。

では、「初期費用ゼロ」というのは本当なのでしょうか。

まずは、初期費用としてかかるお金をみていきましょう。

賃貸物件を契約する際にかかる費用には、以下のものがあります。

  1. 敷金
  2. 礼金
  3. 申込金(預かり金)
  4. 保証金
  5. 前家賃
  6. 仲介手数料
  7. 住宅保険料

これだけ種類があると、初期費用にはたくさんの費用がかかりそうなイメージが湧いてきますね。

それぞれのお金について、詳しく知っておきましょう。

初期費用でかかるお金【1.敷金】

賃貸物件の大家さんに預けておく保証金のことです。

滞納や損害があった場合の担保として預けるお金のことで、退去時の修繕費として使われます。退去時は、借りた部屋を原状回復させて返す義務があります。

もし、滞納や損害、修繕などが無ければそのまま返金されます。

目安は家賃の1~3ヶ月分です。

初期費用でかかるお金【2.礼金】

部屋を借りるときに、大家さんにお礼として支払うお金です。

お礼なので、敷金のように返金されることはありません。

目安は家賃の1~3ヶ月分です。

初期費用でかかるお金【3.申込金(預かり金)】

気に入った物件を押さえるときに、不動産会社に対して一時的に預けておくお金です。

入居したいという強い意思が込められ、優先して入居審査してもらうために支払います。

もし、物件をキャンセルする場合、返金されるお金です。

ただし、キャンセル後に返金されないというトラブルがあるので、申込金を支払うときは、必ず「預かり証」を作成してもらうことをおすすめします。

初期費用でかかるお金【4.保証金】

保証金は「敷金」とほぼ同じ役割をします。

一般的に、関東で「敷金」と呼ばれているものが、関西では「保証金」と呼ばれます。

敷金も保証金も、どちらも「大家さんに預けるお金」という点では同じですが、返ってくるお金の考え方が違います。

敷金が「修繕費をひいて返ってくる」のに対し、保証金は「家賃の何%かが引かれて返ってくる」のです。

何%が引かれるのかは、大家さんの定めた決まりで違います。

目安は家賃の3~6ヶ月分です。

初期費用でかかるお金【5.前家賃】

前家賃とは、あらかじめ大家さんに支払う翌月分の家賃のことです。

家賃は後払い方式ではなく、前払い方式というイメージを持っていれば、理解しやすいでしょう。

月の途中から入居した場合は、その月で暮らした日数分を日割り計算し、加えて前家賃を一緒に支払います。

例えば、3月18日に入居した場合、19~31日までの13日分の日割り家賃と、4月分の前家賃を払います。

初期費用でかかるお金【6.仲介手数料】

仲介手数料は、物件を紹介してくれた不動産屋さんに支払うお金です。

お礼として支払うため、返ってくることはありません。

目安は家賃の1ヶ月分です。

初期費用でかかるお金【7.住宅保険料】

もしものときの場合に備えて、住宅に関する保険(火災保険や地震保険)に加入するお金です。

賃貸物件を契約するときに、加入を提案・推奨されることが多く、一人暮らしで思わぬ災害に見舞われた時に役立つ保険です。

「火災保険」や「地震保険」は、その名のとおり、火事や地震による被害に対して、保険が適用されます。

とくに、賃貸物件で火事を起こしてしまうと、アパートやマンションでは他の部屋にも被害を与えてしまいます。

被害が大きい場合、被害額が高くなってしまい、自分では支払いきれないという事態がおこります。

そんなときに、火災保険に入っていれば、保険料に合わせて決められた額が補償されます。

一人暮らしでは、保険金として200~300万円があれば安心です。

保険料は年間5,000~1万円が相場です。(保険会社やプランによって異なる)

ここまでの7つが「初期費用」としてかかるお金です。

それでは、「初期費用ゼロが本当かどうか」という話に戻りましょう。

結論から言うと、初期費用ゼロというのは、半分本当で半分嘘といえます。

その意味をみていきましょう。

初期費用ゼロの物件ってどんなもの?一部の費用がかからない物件

先ほどご紹介した7つの初期費用のうち、「1.敷金」と「2.礼金」はゼロ(無料)という物件があり、「初期費用ゼロ」を売りにしている物件が増えています。

たしかに、初期費用のなかの「敷金」と「礼金」がゼロであれば、「初期費用ゼロ」と言っても間違いではありません。

しかし、他の初期費用として、「5.前家賃」や「6.仲介手数料」、「7.住宅保険料」はかかる場合が多く、全く初期費用がかからないとはいえず、実際には「初期費用ゼロ」にはなりません。

物件のアピールポイントとして、「契約にかかる初期費用のうち、敷金と礼金はかかりません」という意味で「初期費用ゼロ」を打ち出しているところが多いです。

とはいえ、長々と初期費用がどれのことを言っているのかまで、親切に解説してくれる物件は少なく、自分自身で確認することが大切になります。

そのため、気に入った物件がある場合は、実際にどの初期費用がゼロになるのか、聞いておく必要があります。

実際にかかる金額はいくら?「敷金・礼金」を除く初期費用

「初期費用ゼロ」では、敷金や礼金がゼロでも、他の費用がかかることがわかりました。

それでは、敷金と礼金がゼロの場合に実際にかかる費用をみていきましょう。

敷金と礼金を除いた初期費用は以下のものがありました。

  • 申込金(預かり金)
  • 保証金
  • 前家賃
  • 仲介手数料
  • 住宅保険料

関西で多く使われる「保証金」も「敷金」と同じ役割をするため、ここではゼロとして考えます。

すると、残った初期費用は「預かり金」、「前家賃」、「仲介手数料」、「住宅保険料」の4つです。

  • 申込金(預かり金)…家賃の0.5~1ヶ月分が目安
  • 前家賃…翌月分の家賃
  • 仲介手数料…家賃の1ヶ月分が目安
  • 住宅保険料…保険金として200~300万円なら、保険料は年間5,000~1万円が相場

これらを家賃6万円のアパートを例に計算してみると、以下の費用がかかります。

  • 申込金(預かり金)…3~6万円
  • 前家賃…6万円
  • 仲介手数料…6万円
  • 住宅保険料…5,000~1万円

(すべて税別)

これらを合計すると、15万5,000~19万円の初期費用がかかる計算になります。

敷金と礼金がある物件だと、さらに家賃の2ヶ月分以上が上乗せされ、27万5,000~31万円以上の初期費用がかかります。

そう考えると、初期費用ゼロ(敷金・礼金なし)の物件は、初期費用をなるべく抑えたい人に利用しやすい物件といえます。

注意!初期費用ゼロ物件は退去時に費用がかかることがある

初期費用が少なく抑えられる「敷金・礼金なし」の物件は、一人暮らしを始めたい人にとって、とても魅力的です。

しかし、初期費用である「敷金」(保証金)がない物件には注意する点があります。

敷金(あるいは保証金)がゼロの場合、初期にお金がかからなくても、退去時にお金がかかることがあります。

これは、敷金の役割である「退去時の修繕費」としてお金がかかるからです。

賃貸物件では、入居者に対して部屋の「原状回復」を義務づけています。

そのため、修繕にかかるお金は入居者が支払わなくてはいけません。

敷金を支払っている場合は、そこから修繕費が引かれるため、それでまかなえる場合は新しく費用がかかることはなく、後に余った分が返金されます。

「初期費用ゼロ」の物件は、入居する際にとてもお得な感じがしますが、退去する際には何の補償もないということを知っておきましょう。

初期費用の中身が分かれば安心!お気に入り物件を借りよう

「初期費用ゼロ」の物件について見てきましたが、いかがでしたか?

賃貸契約の時に、たくさんの初期費用があることがわかりました。

もう一度、7つの初期費用についておさらいしておきましょう。

  1. 敷金…大家さんに預けておくお金
  2. 礼金…大家さんにお礼として支払うお金
  3. 申込金(預かり金)…物件を押さえるときに一時的に不動産屋さんに預けるお金
  4. 保証金…関西で敷金とほぼ同じ役割で扱われるお金
  5. 前家賃…大家さんに支払う翌月分の家賃
  6. 仲介手数料…紹介料として不動産屋さんに支払うお金
  7. 住宅保険料…住宅に関する保険に加入するお金

このうち、「敷金」と「礼金」が無料の物件が多くあり、「初期費用ゼロ」として扱われています。

しかし、他の初期費用はかかるため、すべての費用がゼロにはなりません。

気に入った物件が「初期費用ゼロ」を売りにしているなら、その中身についてしっかりと確認しておきましょう。

不安をなくして、お気に入りの物件で一人暮らし生活を始めてくださいね。

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